私たちの使命──「隣人に仕える」
わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、
わたしにしてくれたことなのである。
(マタイによる福音書25 章40節)
祈り:父なる神さま、社会福祉法人ベタニヤホーム創立100 周年を迎えました。大いなるご計画とご恩寵に感謝いたします。御恵みの中に様々な苦難を乗り越えて参りました。今ここに、一同を喜びと感謝で満たしてください。み名によってアーメン。
社会福祉法人ベタニヤホームの設立は、関東大震災による被災母子への支援から始まりました。被災直後だった当時の創設者たちの苦労はもとより、二十数年後には太平洋戦争における東京大空襲により再び辛い経験をいたしました(ベタニヤホームの足取りについては本誌に記録と写真を掲載しております)。こうした困難を乗り越えた後も施設の立て直しと安定的な経営の維持は容易なものではありませんでした。設立当時より国をはじめとする様々な行政機関のご理解とご支援、国内外のルーテル教会からの人材の派遣や財政的支援、そして、地域の多くの皆様の温かなご協力があってこその今日であると、強く確信をいたしております。改めて、これまで私ども社会福祉法人ベタニヤホームをお支え下さった多くの皆様のご厚情に対し、心より感謝を申し上げます。
100周年記念会は、すべて職員の手作りで準備をさせていただきました。その中で「私たちにとっての社会福祉法人ベタニヤホーム」について考え合いました。まずは創設に関わって下さった方々を覚え、特に愛の実践を通して支援の心を伝えて下さったエーネ・パウラス宣教師がどのようなお方であったかを学びました。そして担当牧師により御言葉を頂き、私たちに、「自分を愛し隣人に仕え共に生きる。」ことが私たちのミッション、「使命」であり、この精神を受け継ぎ実践して行くべき大切なことを日々学んでおります。一人ひとりが社会福祉法人ベタニヤホームで働くことの意味を考え、101年目からの私たちの歩む方向、どのような支援のニーズがあるかを探り始めています。 取り組みの具体例は、このたびの創立100 周年記念事業です。各拠点の作業部会委員を中心に企画し準備を進めてまいりました。記念誌作成のための記録や写真等の資料集めと整理、座談会、絵本作り、記念品作り、記念礼拝と記念会の事前準備と当日の運営等は、全職員の協働によるものです。この取り組みによって法人職員としての一体感が強まったように思われます。苦労を担いながら真剣に課題と向き合い、知恵を出し合い創り上げる喜びを互いに共有しました。この経験は今後の働きの中で自信を持って行動することにつながり、希望が湧いてくることでしょう。
100 年の記念すべき日を迎え、役職員一同気持ちも新たに心と体を充実させ、「次の新たな100年」に向けて邁進してまいりますので、今後とも皆様の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。社会福祉法人ベタニヤホームの働きに祝福がありますようお祈りします。
理事長
綱 春子